権利と責任 | ||
宗教的自由については、異なる当事者それぞれの何が権利で、何が責任であるか明確でないことが多いです。この問題を理解するために、次の実生活の中で起こりうる筋書きを検討してみましょう。 宗教的自由についてのシナリオ A国の人口の多くは、一つの支配的な宗教をもっており、この宗教は、政治家や公的教育プログラムに影響力を持っています。この国の憲法では、宗教的自由が保障され、少数派や民族グループが活動しています。しかしこうした団体が政府権力下におかれていることが定められています。こうした政策のもと、礼拝施設は、各地域における法が定めるところに従わなければなりません。 ある少数派の団体の信者は、信者の個人宅を使って集会を開いています。団体のセンターを立てる十分な財源がないため、個人宅を使用しています。彼らは何の犯罪も犯しておらず、宗教的自由の権利があり、個人宅で集会を開く権利があると主張しています。しかし、近隣の父兄たちは、未成年者が集会に出席し、教義を‘洗脳’され、改宗させられようとしていると政府機関にこの少数派団体に対する不満を訴えました。 A国の多数派の宗教の信者数名がこうした個人宅で開かれている集会に踏み込み、その参加者たちを脅しました。 あなたの所属する国際団体は、この対立をどうやって解決するかを当事者たちにアドバイスしなければなりません。解決するために、どのような声明文を作成しますか? 以下の質問をもとに考えてみてください。 ◆政府は、これらの集会をつぶす権利や違法であると認定する権利があるのか? もしあるとしたら、それは、何を根拠としているのか? ◆少数派宗教団体の果たすべき責任は何なのか?また、多数派宗教が果たすべき社会への責任は、何であるか? ◆この実例で、あなたが知りたいその他の情報があるか? ◆各宗教の対立・分離を促進せずに、共生する方向にこの問題を解決する方法があるのか? |
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宗教的自由に関連する権利や責任は、簡単に定義することはいつも不可能ですが、いくつかの宗教や信条団体は、社会へ害を及ぼすことを分かった上で、実践しています。その極端な例として、少数派宗教団体内での性的虐待や自殺のすすめがあげられます。このような問題のために、IARFは、あらかじめ基盤とすべき、宗教・信条団体のための自発的実践規範に取組んでいる。
A) 宗教的自由の制限はどこに定めるべきか? B) 宗教・信条団体が自発的に制限すべき行為のタイプにはどういったものがあると考えられるか?(あなたの所属する団体のあり方を見直してみることもできるかもしれない)
あなたの報告書を次のアドレスまで送ってください。hq@iarf.net IARFの宗教的非寛容の実態を調査するのにあなたからの情報を活用します。 |
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