サウジアラビア
(2001/02年12月、1月、2月)
様々のNGO団体が、サウジアラビアにおける宗教的自由の欠如を含む人権冒涜に対する懸念を表明している。しかし、世界最大の石油輸出国でもあり戦争テロ集団と結びつきがあるため、西側政府は、これらの侵害をする政府統治者の一族に圧力をかける早急な対応をしていない。2001年12月人権ウォッチは、「サウジアラビアの人権:耳をもたない沈黙」というタイトルの報告書を発表した。女性に対する差別や反政府者に対する差別についての調査に加え、政府は宗教的多様性に非寛容であると述べている。また以下の通り報告書は続く。「サウジアラビア人にも外国人にも同様に宗教的自由の制限が加えられ、18世紀中期に普及したイスラームスンニー派のハンバリ派の厳しいワッハーブの解釈を従っているムスリム以外による、いかなるデモ 塔Xトレーションや考えが禁じられている。
「非ムスリムによる公での礼拝がサウジアラビアでは禁じられおり、モスク以外の礼拝場所は、許可されていない。またムスリムを(他の宗教に)改宗しようとしていると疑いをかけられた外国人は、逮捕され、刑務所へ送られ、国外追放されている。最近のケースでは、昨年7月以降、12人以上の外国人キリスト教徒が刑務所送られたことが公表された。彼らの多くは、フィリピン、エチオピアやナイジェリアの国々からの人々で、最終的には2002年初めにサウジアラビアから強制的に国外追放させられた。伝えられるところによると、彼ら全員、個人宅で礼拝集会を開いている(公には教会等の礼拝施設はもてないため)キリスト教徒だったとされている。政府は、非ムスリムも公の場以外では礼拝をしてもよい、としているが、もし彼らが周りに知られるようになったり、規模が大きすぎると思われた場合には、そうした個人宅での礼拝集会も警察に踏み込まれていた。ワシントンDC にあるサウジアラビア協会は、リヤド当局が220人の宗教的囚人を拘束しており、そのうち17人を死刑執行していると最新の報告書で言及している。
これらの多大な懸念に平行して、皇太子が提案した中東和平計画が動き始めるといわれており、緩和に向けての新しい声も存在することも触れておかねばならない。サウジアラビアは、3月中旬にリヤドで開催される「国連文明間の対話年」会議のスポンサーもしている。ジュネーブのIARF代表であるジョン・テイラー氏は、この会議に招待されている。