チリ

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2001年6月、7月、8月)

チリ国会議員からなる宗教カルト委員会は、チリ社会を破壊する可能性があると考えられる20のカルト団体を調査してきている。当委員は、法務大臣に、そのカルト宗教団体の調査を命令し、素性が明らかになった場合、これらの団体の法的資格を撤回するよう要求したと、「国境なき人権」は報告している。

チリ新聞エル・メルクリオによると、委員会は、カルト宗教に所属する者から証言を取った結果、国内に約100のカルト団体が活動していると推論している、と報道した。

国会のグループは、法的資格を撤回された「チベット研究センター」に加入していた2人の青年が失踪した事件を追跡することを計画している。

委員会は、次のいくつかの特徴がある団体をカルト団体と定義した。1.人間の尊厳を侵害する儀式をすることを信仰の必要条件としていること、2.家族との関係を絶つよう促されている、3.性的に操られている、4.身体的または精神的健康にゆゆしき損傷があること、5.宗教指導者が私用目的に信者達の財産を流用している。

エル・メルクリオで出版されたチリ・カトリック大学の市民法学教授のジョージ・エンリク・プレッチ・ピサロの論説では、大多数の国々は、法的にカルトを詳細に定義してはいないが、刑法をもって、こうした行為を裁いている、と述べられている。ピサロ教授は、政府は「偽宗教、社会に害をなす団体」に関する裁判では、政府が「権利と干渉する憲法的義務」を有していることを認知した。さらに、「世俗的な権力が、宗教的信仰はもちろん、思考を強制させる道具として、この法律を悪用してはならないことが法的に規定されている。国自体が、特定の団体や個人に特別な制裁を与えるのではなく、すべての人に共通の法律が適用される公平な政体であることが要求される。」と付け加えた。

チリの委員会が作成したカルトを規定するリストは、フランス政府が作成を試みているリストといくつかの類似点がある。