諸宗教対話のための国際活動の組織化に携わってきた立場からみると、1893年シカゴで開かれた第1回世界宗教国会は、現代における’’諸宗教対話活動’’の始まりといえるだろう有名な哲学者であり、インド伝統学者であるマックス・ミューラーは、この万国宗教会議のことをこう呼んでい。’’世界の歴史の中で、最も記念すべきイベントの一つ’’。思い上がった評価になったかもしれないが、この会議は、諸宗教対話の新しい宗教関係の雰囲気を生み出すために試みられた、初めて規模組織されて東側と西側とが集まった、重要な機会であった

しかしながら、1893年のシカゴの社会的・文化的状況に、どう影響されたかの分析がなされ、宗教史家リチャード・シガーは、「受容性並びにこの会議実現の奇跡に感銘を受け、現実ではあるがアメリカ的救世主神話という意味で、万国宗教会議においてアメリカ人がアジア人と出会うことに価値を見出していることに感嘆した・・・」と書いてい。彼は、また、1993年シカゴ万国宗教会議100周年記念がどのように開催され、初めてのイベントからどのように進歩したか注釈して1893年と1993年の相違点として、最初の会議ではあまり触れられなかった国家レベル、人種レベル、そして宗教レベルにおける努力主義を1993年には示したことであった。」 こうした社会分析の結果 、宗教の代表の選出、無形の文化の存在、政治といった対話に関連する様々な要因の意味に気づかされるようになった。

第1回万国宗教会議の永久的価値 は、対話の象徴であったともいえる。以下の通り、万国宗教会議のテーマで、その後の対話で表面化してきたものが多くあった:

    現代の 世俗主義の中で「宗教不在」に対する諸宗教間の協力した取り組み

    宗教的意見の相違 と暴力の歴史的関係を克服する必要性

    よい世界を築くために、貢献し、働きかける力としての宗教

    宗教が分かち合う価値観を発展させる可能性をひめている行動の基本原理( 例:あなたが自分にしてほしいことを他の人にしなさい)の重要性

    すべてに同等の価値を認める相対主義 と、特定の宗教の絶対主義の問題との関わり合い。

    神秘主義宗教との調和の可能性

もし、地球の歴史の新たな段階の始まり、体系的な対話の基礎として、万国宗教会議が存続するの であれば、多くの対話に関する問題がすぐに解決されるものではないため、議論すべき点をあまり決定的に定めてしまわないことが重要である(「諸宗教との出会い」より)

 

詳しい情報は、CPWRのウェブサイトwww.cpwr.org



- アラン・レイス