東アジア地域からの大会参加者の提案を概括すると、下記のようになる。
宗教の寛容の教育や諸宗教間の対話を目標とする活動は、ほとんど地域に密着したものであった。また、立正佼成会会員にあっては、教団の日常の活動の中にそのような目標を見定める人が多い。
具体的には、地域レベルで他宗教との交流を行い、家庭では親子・夫婦の対話を進め、
各自の持つ人間性としての美徳を開発し、社会福祉や世界の貧しい地域を援助する運動、
地域の清掃奉仕や音楽を通じた人々の心の交流、そしてIARFの精神を広く人々に紹介する等々。
少し変わったアイデアとしては、人間や文化、宗教のルーツを繋ぐふれあいの旅を世界の若者に呼び掛けたい、あるいは日本に世界宗教のセンターを開設し、宗教対話と交流のメッカとしたいという希望が寄せられた。
ITに関するアイデアはさすがに時流のものであるので、様々な具体的なアイデアが飛び出した。IARFのHPに掲示板を設置し、自由に宗教を語り合い、また宗教的自由の侵害を訴える場所とする。インターネットを通じて人々が協力し様々な宗教の教典を各国語に翻訳し、相互理解の手立てとする。IARFの各地域でHPを開設し、情報の公開をすすめる。
変わったところでは、各諸宗教の青年達が、同じ日に、世界の異なる場所で、社会的宗教的な行為を行う、たとえばインドで学校を作る、アフリカに病院を作る、東欧で青年宗教サミットを開催等を一斉に行うことによって世界にアピールするというものである。実現できたら面白い。
日本人は宗教差別について無関心の人が多いが、世界の宗教マイノリティの人を日本に呼び、イベントなどの機会にアピールしてもらうというアイデアもあった。
なお、VCCについては、徹底的な批判をする人があり、また、内容の再検討を日本のJLCにて行わなければならないとする消極的な意見がすべてであった。これは、VCCそのものが日本の土壌に合わないことを考えさせる。
日本人の宗教意識としては、大自然への感謝の念を持って、創造性、生命の充実感を得るための実践と瞑想を行うといった自己実現的な意識がほとんどであり、VCCのような細かい規定で宗教を色分けするようなことは、拒否されるようである。
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